商品パッケージの予算は、販売価格の何%が適正?
公開日:2019年05月20日(月)|貼り箱
パッケージデザインは、ブランドイメージを売っている
包装資材(コスト)か、それともブランディングへの投資?
商品パッケージの予算は、販売価格の何%が適正?
お客様から、とてもよく聞かれる質問です。
結論からいうと予算感に正解はなく、最終的には販売価格(上代)の何パーセントが適正という概念では決まりません。何故なら各々によって、パッケージに対する考え方や価値観でかなり違うからです。
もちろん製作するロット数、そして何より商品価格で大きく変わってきます。貼り箱だと以前なら、販売価格(上代)の5〜10%くらいと言われる時代がありました。
これも、商品価格によって違います。例えば販売価格3,000円と100,000円の商品では、同じ「5%」でも一つは150円、もう一つは5,000円となります。
正直10万円の商品でもロット数が多ければ(数が少ないとまた話はべつですが)、箱代に5,000円は中々出してはもらえません。高価な商品になるほど、箱予算のパーセントは低くなります。
弊社でも、お客様によってかなりこの感覚は違います。
「箱は、あくまでもコスト。安いに越したことはない。」企業にとっては、少しでも安い方がいいと考えます。1万円くらいの商品でも、箱代は200〜300円という方も問い合わせが来ます。それだと、箱代は2〜3%ほど。
もちろん、かなり高額な商品の場合は同じ「3%」でも意味が違ってきます。
以前作らせていただいた案件で、ご注文いただいたロット数が100個の貼り箱がありました。
正確には、貼り箱の中にある付属品がいくつか入ってセットになっていたので、貼り箱「100セット」でした。
内容の詳細については公開できないのですが、その商品の販売価格は数十万円。
お話をいただいて、弊社から貼り箱の仕様についてご提案をさせていただき、同時に競合他社があったのですがご注文をいただきました。
企画・デザイン、サンプル製作、木型代、凸版代、貼り箱(100セット)など、製作費全部で約250万円。貼り箱(100個セット)としては、かなり大きな案件でしたが、単純計算で商品価格のおよそ3%くらいです。
かといって、高価な商品でも「予算をもう少しお願いします」ということもあります。価格10万円くらい商品で、当初予算が500円まで(箱代は、〜0.5%)。
それは流石に、もう少し予算をみていただきたい案件。最終的には先方の営業、企画、デザイナー、コンサルタントの方々と協議を重ね、@1,000円くらいまでアップしていただきました(それでも約1%)。
これとは逆にすごくパッケージ/化粧箱を重要視して、お金をかけるところもあります。
上代10,000円の商品で、貼り箱@1,500円〜2,000円くらいの予算(上代の〜20%)をかける企業もあります。
たまに「ホントに、こんなにお金をかけて大丈夫ですか?」と、思わずこちらが心配になるケースも。笑 それは個人でネット販売をされているお客様でしたが、上代5,000円くらいの商品で貼り箱が約1,500円。パッケージ率が30%です。これは流石に、「ホントにいいんですか?」と何度も念押しをしました。
それでも、ものすごく喜んでいただいたので私もホッとした次第でした。
これはかなり思い切ったというか一般的ではないですが、そのくらいパッケージ(貼り箱)に対して思い入れのある方もおられます。
このあたりは、その企業によって価値観の違いが大きく現れます。どれが正解ということは、正直ありません。
一つの目安として貼り箱で考えるなら、販売価格の5〜8%、もしくは10%くらいでしょう(商品価格でも変わります)。あとは、商品パッケージの「意味」をどう考えるかによります。
私はあなたと違います。
パッケージでそんな「顔」をつくる。
あくまでも、「包装資材」としてのコストと考えるか。
もしくは、パッケージを商品や企業ブランドとしての「ブランディング(ブランド構築)」への投資と捉えるのかの違いです。長い目で見ると、それがブランド資産として積み重なっていきます。
あなたのブランド価値を伝える一つのツールとしてパッケージがあり、それは同じような商品との「差異化」につながります。
そのイメージの積み重ねによって、ブランドが醸成されていくのです。
ブランドとは、シャネルやグッチのような有名ブランドだけでなく、例え小さな工房であっても「〇〇といえば〇〇だよね。」と人々の心の中にイメージされるもの。
パッケージ(貼り箱)によって、「私はあなたと違います。」という「顔」をつくるのです。
「ブランディングは大企業がするもの」ってことはありません。規模に関係なく中小零細企業であっても、自分たちの考え方や思いを見えるカタチにして伝えることで、それはブランドになります。
<大阪堺の新しい和包丁ブランド:パッケージ開発事例>
あなたのブランドのポジショニングは?
あとは、ブランドのポジショニングです。
マーケティングにおいて、ポジショニングはとても重要な考え方です。
顧客にとって自社ブランドが現在、その商品群(セグメンテーション)の中でどの立ち位置なのか。
そして、どの顧客に対して商品を提供するのか(ターゲティング)。
他社と差異化して、どの立ち位置に行くか(ポジショニング)。
これは自社が行ける場所ではなく、行きたい場所/行くべき場所(立ち位置)のことです。他社がひしめき合っているところに行くと、どうしても価格競争になります。
自社ブランドが、どこを目指すか?
自分たちの顧客は誰で、どのポジションにいるのか?
そう考えると商品自体の企画はもちろん、商品パッケージ(化粧箱/貼り箱)をどんなものにするか。どの程度の予算をかければ、そのポジションに見合うかがわかってくると思います。
単純に、「パッケージに販売価格の何%かければいい」ではありません。ブランドのポジションにとって「どういうパッケージにするべきか?」から、パッケージデザインと予算を考えてください。
このポジショニングの考え方は、あなたのブランドにとってパッケージ予算の大きなヒントになるでしょう。
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素材の特別感が感覚マーケティングに
パッケージは、顧客接点としてのコミュニケーション・ツール
もちろん、いろんな考え方があります。
確実に言えることは、同じ商品でも入っている化粧箱/パッケージによって見え方、魅せ方、そして商品価値が変わるということです。ブランドにとって、とても大切です。
企業・商品と顧客とのコミュニケーションは、顧客接点(コンタクトポイント/タッチポイント)としてのパッケージの大きな役割です。
そして今、注目されている感覚マーケティング(顧客の五感に訴えかけることで消費者購買行動に影響を与える手法)。
特に貼り箱は、一般的な組み箱(トムソン箱)と違ってボール紙表面の印刷(ヴィジュアル)ではなく、素材(紙や布生地など)を中芯となるボール紙(1〜2mm厚)に直接貼って作る箱。
「見る(視覚)」だけでなく、素材の質感による「触れる(触覚)」を通して、顧客とのコミュニケーションが、ブランドイメージを感じさせることが出来ます。
感覚マーケティングでは、これら視覚・触覚による顧客体験が高級感や特別感を醸成することで、ブランドイメージを創造し消費者行動を促します。
D2C(Direct to Consumer)などはその典型で、実店舗がなくネット上から購入するケースが多いため、商品が届いて最初に見て触るのは商品パッケージです。
その時のブランドの印象が深く残るため、D2Cでは「パッケージは包装資材であると共に、ブランディング/コミュニケーション・ツール」として企画・デザインされます。
以前、弊社で企画・デザイン、製作させていただいた業務用ソフトウェア・パッケージで、新デザインの貼り箱に変えて、売上が数億円アップしたケースが実際にあります。
そのくらいパッケージの良し悪しが、商品のブランド価値、マーケティングやブランドコミュニケーション、そして結果的に売上にも大きく影響を及ぼします。
最後は、パッケージの「意味」をどう考えるか?
この機会に新企画やリニューアル、リブランディングのパッケージ、あるいは既存商品のパッケージの「意味」を見直してみてください。
- ブランド価値を伝える役割?
- ブランドイメージを伝えるもの?
- 包材としてのコストか、ブランドへの投資?
- 顧客接点としてのブランドコミュニケーション?
「意味」を考えることで、今までとは違うパッケージが見えて来るかもしれません。
パッケージデザインは、ブランドイメージを売っている。
パッケージをコストと考えると「費用を抑える」という意味では効果がありますが、コストとなった瞬間に、それは消耗/消費される存在になります。
しかし、これがブランドコミュニケーションの一つとして、ブランドへの投資だと考えると、投資されたものはブランド資産(ブランドエクイティ)になります。
コストだといくら抑えても消費されて終わりですが、ブランド資産と考えると、そのすべてが積み重なっていきます。その積み重ねがあってこそ、ブランドになりファンが生まれるのです。
パッケージ/パッケージデザインは、中身を売ると同時に「ブランドイメージ(ブランドの意思)」を売っています。その箱代は商品の代価と同時に、ブランドイメージの代価でもあります。
短期的にコストや効率だけでパッケージ/化粧箱の予算を考えるのではなく、例え中小零細であっても長期的視点で「ブランドをつくる/ブランドの意思を運ぶ」ことで、最終的には利益を生み出します。
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