◎村上紙器工業所
「お客さま訪問記」シリーズ 6

「工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。」 -  開発戦略部 磯貝弘和さま

 堺市に本拠を置く株式会社をくだ屋技研さんは、創業1934年。以来、ポンプ技術を軸にしたさまざまな運搬機器の開発・製造に取り組んで来られました。今回のご相談はもちろん、運搬機器のパッケージではありません。社内に新しく立ちあげられた“マイスター制度”の資格を取得した方にお渡しするピンバッチ用のパッケージのご依頼でした。村上紙器とのファーストコンタクトから、求めていたパッケージが出来あがるまでを詳しくお話しいただきました。

「工場見学へ行ってみて、初対面から熱いひとだなあ、と思いました。」

「2年前にマイスターという社内制度ができました。」

 油圧ポンプを使ったハンドリフトが主力商品の会社です。ライバルと言える会社は国内に3社くらいでしょうか。ある意味、ニッチな商品をつくっている会社です。そんなわが社がドイツに習って「マイスター制度」という社内制度を発足させたのは2年前のことでした。

 技能や製造に秀でた方を讃える称号を与えることが企画の意図でしたから、主役は称号の証であるピンバッチなんですね。でも、そのピンバッチを贈る会社の想いを伝えるにはどうすれば良いかを考えていって、行き着いたのが、“パッケージ”だったんです。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

「ピンバッチの贈呈にあたり、想いを伝える箱にしたかったんです。」

 ただ喜んでいただけるだけではなく、会社の想いを受け取ってほしい、感動をいつまでも持ち続けてほしいと考えました。そのためには、想いがこもった箱に収めて渡したかったんです。中にはピンバッチが2個収まっています。一つは仕事の際につけていただき、もう一つは手元に持っておいていただきたいからです。

先日の創立記念日に、全国から選ばれた5名の方が社長からマイスターに認定され、ピンバッチが授与されました。どなたも30〜40年もの長きにわたって会社とともに歩んでこられた方々です。皆さん、とても喜ばれていたと聞いています。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

「うちの会社にはいろんなプロジェクトがあります。」

 じつはうちの会社にはいろんなプロジェクトがあります。このピ ンバッチはわたしひとりのプロジェクトでしたが、通常は若い人たちを中心にプロジェクトを立ち上げて、できるだけ男女混合でやっ ていくような風土があります。現在「緑化プロジェクト」を企画中なんですが、その場所にキャンプ用のテントを張ったりしても面白いかなあと話しています。
 
 いま、皆さんとお話ししているこのスペースはショウルームです。コンセプトは“お客さまをもてなすカフェ”なんです。テーブルの脚は製品のパイプを加工しオリジナルでつくっています。お出ししているコーヒーもオリジナルな豆をセレクトしています。ここには社員も使えるようなアイデアをたくさん盛り込んでいますから、オープンまでマル秘のプロジェクトでした。お披露目会ではお客さまも社員も驚きを隠せず、大変気に入っていただいたと自負してい ます。 

 このように、いろんなことを楽しさやモチベーションにつながる”コト”にしていくのは社長の考えでもあり、社風でもあります。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

「パッケージは欲しいものの、こころ当たりはありませんでした。」

 村上紙器さんのことを最初はホームページで見て、デザインがきれいだな。でも、正直、高そうだなあと、思いました。2〜3社のHPを見ましたが、ここだなあと思うところがあれば、あとはもう他のところを見ない性格なんですね。だから、村上紙器さんに頼もうと、じぶんの中では決めていました。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。
株式会社をくだ屋技研 開発戦略部 磯貝弘和氏

「伝える、運ぶ、想いを届ける箱でありたいと思っていました。」

 ピンバッチが主役なわけですけど、「渡す、手に取る、持ち続ける」という行為をトータルに考えようと思っていました。「伝える、運ぶ、想いを届ける」ということは「重い(もの)を運び、伝え、届ける」という弊社のあり様と重なるからでもあります。

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

「HPの『お気軽にお電話ください』のひと言が背中を押してくれました。」

 村上さんのところのホームページに「お気軽にお電話ください」と、書いてあったのが良かったと思います。そのひと言に背中を押されました。間口として入りやすくて、好感を持てました。
それで、電話をして考えていることを説明したら、話だけでも伺いたいから、どうぞ工場へ来てください。」と、言っていただきました。(磯貝)

 いえいえ、私たちは受注産業なので、お声がけいただかないとはじまりませんからね。その想いを素直にお伝えしたいだけなんですよ。(村上)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。
村上紙器工業所 代表 村上誠

 その意味では、弊社も同じですね。何に困っていらっしゃるかをお聞きしないとご提案ができませんから。お困りごとを探して、それに対して何ができるかが、仕事のすべてなんです。(磯貝)

「初対面で、熱い方だということが伝わりました。」

 ロットが少ないこともあって、受けてもらえるだろうかと、ドキドキしながら会社を訪問しました。もう、会った瞬間から熱かったですね。初対面なのに、ここまで熱く語るかというくらい、箱のことをすべて語ってくれたんです。ドキドキしていたのに、いつの間にか、ワクワクさせられてしまいました。(磯貝)

 おっしゃったロットが50個でしたよね。業界的には50個だと、ふつうは受けないんです。最低でも500個くらいでないと受けないんじゃないでしょうか。というか、受けられないというのが正直なところなんですよ。うちは金額さえ合えば50個でも、もっと少なくてもやらせてもらっています。(村上)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

「ピンバッチを渡す価値を伝えたかった。」

 ピンバッチを渡すということの価値を伝えるものとして、箱がその行為を引き立ててくれるものになると確信していました。マイスターという称号に値する方に渡すわけですから、コストダウン優先の箱にするのは、最初から疑問を持っていました。ずいぶん、前のめりかもしれませんが、小ロットではあるものの、“ぜったい、やりたい”という気持ちが先にありました。(磯貝)

「モノづくりの会社として共感するところが多かった。」

 会社を訪問して村上紙器工業所には、手づくりを大切にしている風土があるなあと感じました。そして、わたしの要望を聞いてくださる姿勢に、村上さんという方はいろんなことに興味があり、好奇心がある方だなあと思いました。

 バッチ自体は大きなものではないので、まず手にしたときに“重み”があるものにしたいと思っていました。そして、箱を開けたときに、空間に余白を持たせることでバッチを際立たせたかったんです。そういうふうにすることで、開けるプロセスを楽しんで欲しいのと、バッチに到達するまでの気分の高揚感を感じてもらいたかったんですね。蓋の裏に“感謝”の2文字を入れることで、そのストリーを完結させました。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

 今回ご依頼いただいた箱は実、蓋、スリーブ(筒)という構造です。全体的に難しいものではありませんが、いろいろ気を使いました。奥行きを感じさせるために厚み(深さ)をかなりとってあります。ウレタンが分厚いので、ちゃんと抜けるかどうかを心配しましたが、上手く行きました。それと、スリーブというのは、抜き差しの具合が意外と難しいんです。キチキチだと抜き差しができないし、とは言えユルユルでは不格好ですからね。0.1mm単位で寸法を決めるのですが、そのとき、木型屋さんには木型屋さんの考えがあるし、わたしにはわたしの経験値と考えがあります。互いの意見を出し合いながら、最適な寸法出しをしていくんですよ。(村上)

「『もう決めてるんやろ、お金のことは任せとけ』それが報告したときの社長の第一声でした。」

 ロットも少ないし、見積もりは覚悟していたとは言え、それなりの額でした。そしてピンバッチも仕上がってきて、社長に報告に行きました。このプロジェクトはわたし一人なので決済は、直接社長になります。
 社長は「もうその会社でやると決めているんやったら、やったらええ。お金のことはまかしとけ」。そう言ってくれました。
 社長の言葉を聞いて「やったー!」と、思いました。というのも、このプロジェクトはピンバッチを渡した方から社長が「ありがとうございます」と言われるのがじぶんの使命だと思っていましたので、成功が見えたと思いました。(磯貝)

 試作を持って行ったときに、ちょうど社長もいらっしゃって、喜んでくださったので、磯貝さんと一緒に感動しましたね。(村上)

私としても、大満足でした。(磯貝)

工場見学へ行ってみて初対面から熱いひとだなあ、と思いました。

“コトの重要性”を再認識しました。
このプロジェクトに関わらせていただいて改めて実感したのは、もらうという“コト”が重要だということです。確かにつくっているのは“モノ”ですし、“モノ”を納品したわけですが、ぞの“モノ”が素敵な“コト”になることで、受け取る方の気持ちが何倍にも増幅されるということですね。それは言い換えたら、「モノがコトになることで、成功の質を上げる」ということではないでしょうか。
今回はわたしもいろいろ勉強をさせていただきました。たとえば、をくだ屋技研さんの制服です。パンツはなんとリーバイスのジーンズなんです。そして、上着は若いひとに人気のブランドであるカーハートのワークジャケットみたいで、ジーンズとのコーディネイトがとてもオシャレです。しかも、ショウルームに各サイズを揃えた試着室まであるんです。そこで試着してじぶんにぴったりのものを手に入れます。本当に働くひとのモチベーションが、じつに良く考えられています。いろんなことに投資をケチらず、“やるからには、やり切る”という社風に感銘しました。
うちなんか及びもしませんが、少しでもそんな社風に近付きたいです。今後もいろいろチャレンジされることに、注目していたいと思います。ありがとうございました。(村上)

ブログ記事:マイスターに贈る記念品。想いを伝えるパッケージ

株式会社をくだ屋技研
開発戦略部 磯貝弘和さま
〒587-0011 堺市美原区丹上263
http://www.opk.co.jp/

訪問日:2021年11月17日(水)
公開日:2021年12月15日(水)

※掲載内容は取材時の情報に基づいています。

「お客さま訪問記」シリーズ

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