パッケージデザインは、ファンをつくるためのブランディング投資

公開日:2023年08月31日(木)ブランディング

パッケージは大切なコミュニケーション
パッケージの第一印象が、ブランドイメージにつながる

パッケージデザイン/パッケージは、ブランドのファンにとってとても重要なコンタクトポイント/タッチポイント(顧客接点)であり、コミュニケーションツールです。

一般的な顧客とは単に商品を購入してくれる人を差しますが、ファンとは商品を継続的に購入してくれる人、そしてブランドを応援してくれる人のことです。

応援してもらうには商品の品質もさることながら、ブランドの背景に物語りがあり、たまらなく「好き」と思えるものがないとファンになってもらえません。

そのためには、企業にとってブランディングが必要になってきます。

ブランディングとは、一言でいうと「他社と差異化し、自社のオリジナリティを持つこと」です。

(1)ブランドって、なに?
(2)ブランドイメージは、どうやってできる?
(3)錆びない考え方を持とう
(4)いろんなものがメディアになる
(5)広告しないで広告効果を出す

詳しくは、「ブランディングって、こういうこと(series1〜5)」をご覧ください。

ブランディングって、こういうこと

その中で「いろんなものがメディアになる」は大手企業でなくても、中小零細企業で簡単にできます。メディアって?となるかもしれませんが、別にテレビや新聞だけがメディアではありません。

もし莫大な広告予算があるなら、タレントを使ったCMを制作して流すことも出来るでしょう。ただし、少なくとも数億〜数十億円?くらいの費用が必要です。普通の中小零細企業では、夢のまた夢といったところでしょう。

でも、大丈夫です。
そんなお金をかけなくても、広告効果を上げることは可能です。


意思を運ぶ箱、パッケージデザインは、ファンをつくるためのブランディング投資
貼り箱以上、村上紙器工業所
意思を運ぶ箱
パッケージデザインは、ファンをつくるためのブランディング投資

多くのコンタクトポイント/タッチポイントをつくる

弊社には、「意思を運ぶ箱。」というキャッチコピーがあります。
それを、名刺、パンフレット、ホームページ、展示会の看板、ブログ、SNSなど、様々なものをメディアとして展開しています。

これらのイメージが積み重なって、村上紙器工業所のブランドイメージを伝えています。弊社のような零細企業でも、やる気さえあれば十分にできるものです。

これらのコンタクトポイント/タッチポイント(ブランドと顧客を結ぶ接点)の中でも、重要なポイントになるのが商品パッケージです。

元々パッケージは商品を包んで運ぶための機能的価値としての役割ですが、近年ではそれプラス「ブランドイメージを運ぶ」情緒的価値がとても大切になって来ています。


パッケージデザインは、ファンをつくるためのブランディング投資

例えば、世界的コーヒーチェーンのスターバックス。ブランディングに成功している、世界的なブランドの一つです。

そんなスターバックスを象徴するのが緑色のロゴマーク(創業から何度か変わっています)。あのロゴマークを見ただけで、スターバックスの世界観が一瞬にして伝わります。

スターバックスでコーヒーを飲む人は、値段などの問題ではなく(現実には珈琲としては高価格)、スターバックスを飲む自分に意味を見出しているとも言えます。

ブランドとは、商品の品質以上に「意味」を届けているのです。パッケージであるカップについている、ロゴがその象徴です。

コンタクトポイントとしてのパッケージの重要性をお気づきになりましたか?



ブランドをブランドたらしめるパッケージ

さてこちらは、弊社でパッケージとブランディングをお手伝いさせていただいている和包丁(株式会社福井)の新ブランド「HADO」の貼り箱

主に欧米など海外輸出が多いこの和包丁ですが、商品の卸先であるオーストラリアのお店がつくられたプロモーション動画です。商品のレビューとともに、Unboxingについても語られています。

D2Cでは、特に重要なUnboxing
パッケージの開封体験が、ブランドの第一印象につながる

Unboxing(アンボクシング)とは、パッケージの中から商品を取り出す一連の経験(experience)を示す英語のスラングで、日本語だと「開封の儀」でしょうか。

素敵なパッケージは、「箱から商品を取り出す」という一種の感動体験を与えてくれます。D2Cは実店舗を持たないところも多く、届いたパッケージの開封体験がブランドの第一印象に大きくつながります。
商品クオリティ(モノ)とは違う、人のこころが動く体験(コト)をパッケージはつくることが出来るのです。

ブランドにとってこの体験こそが、ブランドをブランドたらしめるのです。



開封するときの感動をつくり出すのが、パッケージの大きな役割

先日亡くなった世界的アーティストの坂本龍一氏による、アナログ盤レコードのスペシャル・ボックス・セット(限定200部)。「これは、自分でも欲しくなる出来かな」という自分自身の作品セットを開封したときの第一声です。

ここにも、パッケージを開封するときの感動がありますね。
この感動をつくり出すのが、パッケージの一つの役割でもあります。

つまり、単に商品を購入してくれる顧客から、ブランドのファンをつくるメディアにもなるのです。そうなると包装資材としてのコストではなく、ファンをつくるためのブランディング投資といえます。

もちろん、パッケージを変えたからすぐにファンが出来るわけではなく、長い目でみていただく必要があります。ブランドは長い時間と手間をかけて、ファンの頭の中につくられていくものです。

パッケージは、長期的にみるとブランド資産になる

目先の売上/利益ではなく、長期的な投資だと考えてください。
包装/梱包資材としてのコストならそれらは消費されて消えていきますが、ブランドへの投資と考えると、それらが積み重なることでブランド資産(ブランドエクイティ)となるのです。
この意味を、どう捉えるかですね。

※坂本龍一のスペシャル・ボックス・セット(弊社制作ではありません)で使われている唐紙(からかみ)の制作は「かみ添 http://kamisoe.com」さんです。

唐紙とは、中国から渡来した紙、もしくはそれを模して作られた紙のこと。平安時代には書道や消息で装飾性の高い料紙として用いられた。中世ごろからは、主に襖に貼る加工紙の一種として用いられた。産地・特徴において、京から紙と江戸から紙の2系統に分かれる。 
ウィキペディアより)

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