ブランドとは長い旅路のようなもの
公開日:2025年06月23日(月)|ブランディング

米国の経済学者でマーケティング理論家、ブランドアイデンティティの提唱者でも知られるデービッド・アーカー氏は、ブランドのことをこう言う。
ブランドとは、長い旅路のようなものである。
顧客がそのブランドに触れるたびに生まれる感触や体験をもとにして、次々に積み重なり変化していく顧客との関係なのだ。(「ブランド論」より:デービッド・アーカー著、阿久津聡訳、ダイヤモンド社)
つまり、ブランドが顧客との関係性を積み重ねることで構築されると。
大企業といえども大金を使っても、すぐにブランドが出来上がるわけではない。
逆にいうと例え中小企業や零細企業でも、コツコツと顧客との関係を積み重ねることで、顧客の頭の中にブランドイメージが構築される。
それは決算書の数字には表れないが、目に見えない無形資産でありブランドとしての資産価値を持つ。中小零細企業にとって、それは大きな力になる。

ブランド価値/資産(ブランド・エクイティ)とは機能的価値だけでなく、情緒的なものが大きな価値を生む。
持っているだけで思わずほくそ笑んでしまう腕時計。使うことが楽しい、これで料理を作れば美味しい料理ができる包丁。ここで飲む珈琲はとてもリラックスできるカフェ。
様々だがすべて機能だけでなく、心が感じることができる商品やサービスだ。
商品でいえば、世の中に流通させるためには必ず商品パッケージがいる。
パッケージをつくるためには、パッケージデザインが必要である。
パッケージは、ブランドと顧客とのコミュニケーションである。
ここにも機能だけでなく、情緒的な要素が介在している。

わかりやすい例でいうと、宝飾ブランドのティファニーのパッケージはその典型。
Tiffany のロゴが入った、あのティファニーブルーのパッケージ。
あの箱(貼り箱)自体は、技術的にすごい箱でもないし、機能的のはごく普通の貼り箱である。しかし「Tiffany」のロゴが入り、あのティファニーブルーで包まれたパッケージになるだけで、顧客の頭の中には高級ジュエリーであるティファニーのブランドイメージが一瞬で出来上がる。
1886年に誕生したあの箱が、130年以上の時間と投資を積み重ねてきたアイコニックなパッケージである。たかがパッケージと思うなかれ。コツコツと積み重ねてきたものはブランドの象徴となるのである。
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