貼り箱とは?
風合いのある和・洋菓子のギフトパッケージに使われている箱と言えばイメージしやすいでしょうか。
貼り箱(はりばこ)は、中芯となる厚紙で一旦箱のカタチにしてから和紙や化粧紙、印刷された紙を貼って作られています。
貼り箱の一番の特徴は、質感のある紙や生地などを直接貼ることで印刷用紙とは違った表情や表現が出来ることです。
その独特の美粧性から和・洋菓子をはじめ、高級な贈答品やギフト商品、化粧品や美容関連商品、ソフトウェア、アクセサリー、ウエディング用DVDケースなどに採用されています。
また、金属加工サンプルを貼り箱に入れてプレゼンテーションに使われるなど、BtoB製品にも化粧箱として需要があります。
一般的にトムソン箱と呼ばれる組み箱は、厚紙に印刷し、それを型抜きしてから組み立てた箱です。安価で量産が容易なため、主に大量流通商品に使われています。
貼り箱製造でも、自動制御の機械で量産することができます。弊社の場合は、機械を使いますが作業そのものは手加工で、比較的小ロット生産を得意としています。数百個〜千個、多くても二、三千個程度のものを手がけています。
貼り箱はトムソン箱や段ボール箱に比べて高価と言えますが、美粧性や高級感、上質感が貼り箱の存在価値です。商品の価値を貼り箱を通してお客様に伝える大きな効果が貼り箱にはあるのです。
※貼り箱については、「貼箱とはどんな箱?」も、ぜひご覧ください。
貼り箱を含めた商品のパッケージは、単なる包装資材ではありません。
お客様とのコミュニケーションであり、ブランド構築(ブランディング)のための大切なものです。
詳しくは、こちらの「ブランディングって、こういうこと」をご覧ください。
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貼り箱製作工程
ここでは、一例として「インロー式貼り箱」の製作工程を、簡単に説明させていただきます。もっと複雑な貼箱の場合は、これらの基本的な製作工程の他に表紙やゲス(中仕切り)など部分ごとに製作し、最終的にそれらを組み合わせることで、一つの「貼り箱」が出来上がります。
下にある製作工程は、弊社の「貼り箱」では比較的“シンプルな作業工程”で、高度なものになると、十数点〜二十点以上の部品を組み合わせた「貼り箱」を製作する場合があります。これら様々な工程で“人の手”が加えられ、「貼り箱」は作られていきます。

1. ボール紙の断裁
貼箱の中芯になるボール紙を、断裁機で指定の寸法に断裁します。

2. 罫線(けいせん)入れ
ボール紙が折り曲がるラインに、罫線(ハーフカット)を入れます。

3. 隅切り
「井の字」に、罫線を入れた隅をカットします。

4. 中芯(ボール生地)
罫線が入り、四隅をカットされた状態。(大量ロットまたは変形箱の場合は、木型を作り、トムソン抜きをします)

5. 隅止め
ボール生地を、紙テープで止めていきます。(他に、ワーヤー止めもあります)

6. 巻きをかける
インロー部分に、紙を巻きます。(箱全体を包むのではなく、側面に紙を巻いている状態)

7. 四隅カット
隅をキレイに仕上げるため、内側に折り込む四隅に、カッターナイフで切れ目を入れます。

8. 折り込み
切れ目を入れた場合、「長い辺」を先に折り込み、あとから「短い辺」を折り込むことで、四隅をキレイに仕上げます。(仕様により、逆に折り込み場合もあります)

9. 生地を包む
ミ・フタを貼紙で包みます。(写真上は、糊が塗布された紙に、ボール生地を位置決めしているところ)

10. 四隅カット
工程(7)と同じく、四隅に、カッターナイフで切れ目を入れます。

11. 折り込み
折り込み後、内側の仕上がりをキレイにするために、金属のヘラで、折り込みの際をこすっていきます。

12. 仕上げ
インロー箱とミを接着材で、固定します。(ミ部分の完成)これにフタをして完成。インロー式貼箱の出来上がりです。
素材の質感
貼り箱に貼る紙や生地など、素材の質感をご覧ください。
箔押しについて
箔押しをするためには、まず金属の版を作ります。そして金・銀・パールのほか黒や色のフィルムを金属版で紙に熱圧着します。そのため、箔の部分が少しエンボスされるのも特長で、箔の色とエンボスによって高級感が演出されます。