ブランド価値の創造。スペック重視から情緒的価値へ

公開日:2022年10月24日(月)ブランディング

一昨日、梅田グランフロント・ナレッジプラザで「こたつ会議:新しいモノづくりのOMOSIROI」というトークプログラムがあり、金谷勉さんや服部滋樹さんなど知ってる方も出演されてたのでちょこっと聞きに行ってきました。

製造業(主には中小零細)では、厳しい時代と言われて随分な時間が経ちます。大阪は東大阪などを中心に、中小企業や小さな町工場がたくさんあり、その多くはいわゆる下請けとしてモノづくりをしています。それも完成品をつくっているところはまだしも、部品もしくは加工の請負をやっているところも多いです。

その場合、親会社が厳しいとその下請けはもっと厳しくなります。そして最終的には価格競争になって、仕事があっても利益が出ない難しい状況に。

ブランド価値の創造。スペック重視から情緒的価値へ

モノづくり。匠の技
聞こえはいいが、狭い視野が命取りになる
機能的価値から、情緒的価値への変化

話の中で、雛人形の会社の話がありました。昔と違い、現代では自宅に七段飾りをおける家はほぼないでしょう。今だと机の上に飾れるような、小さなガラスケースに入ったものが主流かもしれません。当然、雛人形会社もそれをつくる職人さんも仕事は減っていきます。
これは多分、止めようがありません。このまま黙ってると、どんどん仕事はなくなります。根本的に発想を変えないと、生き残るのが難しいです。
一旦「ひな祭りの人形」から離れて、全く違うマーケットを開拓しないといけないのかもしれません?

でもこれは雛人形だけの話ではなく、すべての業種、特に下請け中心の製造業もまったく同じです。

解決策としては、今までの売り先だけでなく新たなマーケット(市場)を自分で開拓していかないといけません。マーケットが変わると同じモノでも、製品自体の価値が変わります。今までの2倍や3倍、もしかすると10倍の価値になるかもしれません。

あとは、本質的に「何を売るか?」です。「何」というのは自分たちが作るモノ(製品)のことではなく、顧客に対してモノを通して「何」を売るかということです。

以前のブログ(パッケージの意味。顧客は何に対価を払うのか?)でも書いたのですが、例えば、同じ「自動車メーカー」であるトヨタとフェラーリ。商品カテゴリーとしては、どちらも自動車を売っています。
しかし、本質的に売っているものは全く違います。トヨタが売っているのは、移動手段としての自動車。100万円くらいの比較的安価なものもあれば、高級車のレクサスもありますが、基本的には移動手段です。

それに対して、移動手段としてフェラーリを買う人はいません。移動手段にしては高価すぎるからです。フェラーリを買う人は、「フェラーリというスーパーカーを自分で操る」「ステイタスとしてフェラーリを所有する」という意味を買うわけです。
つまり自動車という「モノ」ではなく、「意味」を売っているのです。

こんな発想があれば、今までとは違ったマーケットや顧客を開拓することができます。
しかし、製造業にはそもそもこういう考え方や発想がありません。何故なら、自分たちがつくるモノ(製品、スペック)にしか目がいかないからです。
視点が変わると、同じモノにも新たな付加価値が生まれます。付加価値がないと他社と差異化が出来ないですし、売上にも利益にもつながりません。

ブランド価値の創造
自分の価値は自分で決める

「誰に売るか?」「どうやって売るか?」「自社製品の価値を言語化し、伝えることができるか?」の視点(ブランディングやマーケティング、コミュニケーション)が絶対に必要です。

あと大きな課題は、下請けでは自分で値付けができないところ。自社製品は、自分で価格のコントロールが出来ないと利益が出ません。特に下請けだとここが一番弱い点で、本来は「自分の価値は自分で決める」、つまりブランド価値の創造がとても重要になってきます。

製造業(特に小さな規模)は、従来の価値観や視点、考え方を一度捨てて一から自社の価値を再構築することが、現状から脱する一番の方法なのだと感じます。
既存のベクトルの延長線上には、未来はありません。今までとは、ベクトルを変える必要があるのです。これは、現状のモノづくりへのアンチテーゼなのかもしれません….。

ちなみに弊社のミッションは、「パッケージ/貼り箱の力で、ブランド・コミュニケーション(ブランドの本質を顧客に伝える)をデザインする」という顧客価値を提供することです。

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