パッケージは単なるコストではない!! すぐに利益にならないのは無駄?
公開日:2019年03月08日(金)|ブランディング
パッケージ=ブランド資産という考え方
以前、住宅設備機器メーカーのデザインや商品企画を担当する方からご相談いただいた貼り箱の案件。住宅リフォームをしたときに、現状は新しい「キー」をお客様にお渡しするのにそのまま渡しているとのこと。
それが普通なのですが、それを化粧箱(貼り箱)に入れてお渡しすることで、お客様への感謝の気持ち、満足感を演出できます。
そして、自社のブランド価値も高めることが出来るとの思いでお話をいただきました。

パッケージは、担当部署によって捉え方が変わる。
営業部とデザイン・企画部では、パッケージの意味が違います。
まさにパッケージによるブランディングであり、ブランドコミュニケーションとしてお客様にも喜んでいただけると思います。
そんな発想から、デザイン・商品企画の担当者の方とやり取りをしていました。まずは予算確保のために、先方も社内調整をされていました。ところがよくある話ですが、営業部門を中心に横槍が入ります。
日本では大手企業でさえ、まだまだブランディングに対する認識が薄い企業は少なくなくありません。

すぐに、利益にならないことは無駄?
パッケージは、単なるコストではなくブランドへの投資。
特に営業部門にとっては、パッケージは単なる包装資材であり「コスト(生産費)」です。
そう考えると当然安い方がいい。もっといえば、「ゼロ」がいい訳です。
今まで「キー」はそのまま渡していたので、パッケージの「コスト=ゼロ」でした。
そこにお金を掛ける。費用が発生するのは、「悪」という考え方なのでしょう。
しかし世界的なブランドは、その一見「無駄」に見えることに膨大な投資をすることがよくあります。
パッケージはマーケティングにおけるプロモーションの意味もありますし、例えば有名ファッションブランドで買い物をしたときのペーパーバッグ(手提げ袋)はブランド戦略の一つです。

パッケージはお客様と企業をつなぐ大切な接点、コンタクト(タッチ)ポイントです。
有名な話では、アップルのiPhoneパッケージ(貼り箱)があります。
最近は自動化機械が進歩したおかげで以前に比べると費用は下がってきていると思いますが、年間2億台以上販売するパッケージとしては、アップルはとんでもないお金(パッケージ代に、年間数百億円)を掛けています。
パッケージは、お客様と企業をつなぐ大切な接点、コンタクト(タッチ)ポイントであり入り口です。
ブランディングは、単純に「効率」や「コストパフォーマンス」では計れないことが多く、あくまでも会社(経営者)の判断になります。これらはコストだけではなく投資であり、これによってブランド価値は大きく変わり、そしてブランド資産(ブランドエクイティ)として積み重なっていきます。
パッケージをどうしようかと悩んでいる貴方!!
貼り箱はブランド価値を高めるための投資だと、目線を変えてみてはいかがでしょうか。
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(まずは、ちょっと電話で聞いてみたい時は 06-6653-1225 担当:村上 誠 まで)