貼り箱/パッケージ × CMFデザイン × ニューロマーケティング
公開日:2025年08月09日(土)|デザイン
「貼り箱/パッケージ × CMFデザイン × ニューロマーケティング」を、脳科学とマーケティングの両視点で考えてみます。
“なぜ” それが購買行動に効くのかを、感覚 → 脳 → 行動 の流れで示すとこんな感じになります。
CMFデザインとは?
製品の外観を構成する「色(Color)、素材(Material)、仕上げ(Finish)」を総合的にデザインするるもの。単に見た目の美しさだけでなく、触感や機能性、ブランドイメージまでを考慮に入れ、製品の魅力を高めることを目的とします。他の製品と差異化を図り、ブランドの個性を際立たせる効果があります。
ニューロマーケティングとは?
脳科学や認知科学、心理学の知見を活用して、消費者の無意識下の反応を分析し、マーケティングに役立てる手法です。従来の手法では捉えきれなかった消費者の潜在的ニーズを把握できるため、製品開発や広告戦略の最適化に繋がると期待されています。

1. 「CMFデザイン × ニューロマーケティング」の意味
- CMFデザイン(Color/Material/Finish)は、色・素材・仕上げという感覚的要素をコントロールして「ブランド体験」をデザインする手法。
- ニューロマーケティングは、脳波・視線・生体反応などの研究に基づき、人の脳と感情が購買に至るメカニズムを解明し、それを活用するマーケティングです。
この2つがパッケージ(特に貼り箱)に融合すると、単なる包装資材ではなく「五感を経由して脳の購買スイッチを押す戦略ツール」になります。
2. 脳が動くメカニズム
購買行動の約95%は、無意識で決まると言われます。
パッケージは、この “無意識領域” に最短距離で働きかけます。
- 視覚刺激(色彩・光沢・マット感)
- ティファニーのブルーは「幸福感・信頼感」を呼び起こし、扁桃体(感情中枢)を刺激
- Appleのマットホワイトは「洗練・先進性」を感じさせ、前頭前野(価値判断)を活性化
- 触覚刺激(素材の質感・重量感)
- 厚みや手触りは「価値の重さ」を物理的に感じさせる
- 柔らかい表面や高密度な箱は、脳に「高級」「安全」を刷り込む
- 音や感覚的フィードバック
- 箱を開ける時の「スッ〜」という摩擦音や抵抗感が、報酬系(ドーパミン分泌)を刺激
- Appleが開封時の摩擦速度を計算しているのは、この効果を狙っている

3. 貼り箱だからできる “脳直結” 設計
貼り箱は段ボールや組み箱とは違い、紙などの素材感を活かしたパッケージデザインのため、CMF要素を緻密に組み込めます。
- Color:ブランド固有色で即座に記憶にフック(例:ティファニーブルー)
- Material:布や紙など、素材の持つ質感で触感と視覚を同時に刺激
- Finish:マット、光沢、箔押しで質感を強調し「高級感」「上質感」「特別感」を脳にインプット
4. 戦略ツールとしての効果
ニューロマーケティング的には、パッケージが購買行動を後押しするプロセスは次のようになります。
感覚入力(五感)→ 脳内評価(感情+価値判断)→ 行動意思決定(購買)
具体的には:
- 購入前:店頭やネット上で「第一印象効果」→ 目立つ/高級そう/信頼できそう
- 購入時:手触りや重量感が「価格に見合う価値がある」と感じる
- 購入後:開封時のブランド体験が「記憶の定着」と「リピート意欲」を強化

5. ブランド戦略としての位置づけ
貼り箱のCMFデザインは、
- ブランドのDNAを脳に刷り込む装置
- 価格競争から脱却する武器
- 顧客体験を中長期で記憶に残すブランド資産
貼り箱/パッケージは、五感と脳科学を組み合わせたマーケティング装置。単なる包材ではなく、中長期的なブランド戦略の中心にも据えられます。
特にニューロマーケティングの視点を入れると、「なぜこのデザインが売上に効くのか」を科学的に説明でき、企業にとっても合理的で納得しやすい理由になります。
パッケージデザインも脳科学を活かす時代
企業にすると、どうしても「パッケージ=包装資材=コスト」の構図になりがちですが、「貼り箱/パッケージ × CMFデザイン × ニューロマーケティング」は中長期的にブランド価値を向上することができます。
商品/ブランドにとって、これらを積み重ねることで長い目で見て「ブランド資産を創る」と考えるとパッケージへの投資は効果的です。
一般的には馴染のない感覚ですが、経営戦略としてぜひご検討ください。ちょっとでも興味があれば、村上紙器工業所へご相談ください。
どうぞ、よろしくお願い致します。
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