パッケージ/貼り箱のご相談には、商品の背景を教えてください
公開日:2025年08月09日(土)|貼り箱
パッケージ/貼り箱のご相談時には、最初に整理しておくと効果的な情報を「仕様的な要素」と「ブランド・ストーリー的な要素」の両面からいただけるとありがたいです。
これらの情報があると、単なる “箱” ではない、ブランド価値を最大化するご提案がしやすくなります。

1. 基本仕様に関する情報(ハード面)
項 目 | 内容例 | 理 由 |
商品/カテゴリ | 洋菓子、化粧品、ジュエリー、カタログなど | → 用途に応じて構造や素材が変わる |
商品サイズ・重さ | 実測寸法(縦横高さ)とおよその重さ、わかる範囲で | → 箱の設計や耐久性に直結 |
商品上代価格 | 現状または想定されている価格 | → 箱代に影響する |
ロット数 | 初回ロット数 | → 単価計算に必要 |
納期 | 納品希望日があれば | → 製造スケジュールのため |
ロゴなど | 基本的に箔押し、印刷希望の場合は別途 | → イメージを決める要素 |
色・形状の希望 | ブランドカラー?、希望の色 ブック式などご希望があれば | → デザイン設計の起点になる |
2. ブランド・ストーリーに関する情報(ソフト面)
これらの情報が多いと、「意思を運ぶ箱」としての企画提案がしやすくなります。わかる範囲で教えて下さい。
項 目 | 内容例 | 理 由 |
商品開発の背景 | なぜこの商品を作ったのか、市場の課題、開発秘話など | → 箱でストーリーを表現できる |
ブランドコンセプト | 上質、環境配慮などのキーワード | → デザインの方向性を決める軸になる |
ターゲット顧客像 | 年齢・性別・ライフスタイル・購買シーン | → 顧客が手に取った瞬間の体験を設計できる |
使用シーン | ギフト用、店頭販売用、D2Cなど | → 保護性能や見栄えを最適化するため |
競合パッケージ事例 | もし別に考えている箱があれば | → 差別化ポイントを明確にできる |
求める印象や感情 | 高級感、上質感、信頼性、ワクワク感など | → 五感デザインの方向性を固める |

パッケージデザインにおける商品(ブランド)ストーリー
ブランド・ストーリーに関する情報は、パッケージを単なる入れ物ではなく「ブランドの語り部」にするための中核です。ここでは、村上紙器工業所が提案の精度を最大化できるように、より深く解説します。
この通りの情報を欲しいわけではなく、これらを例とした商品/ブランドが企画・開発された「背景」をお聞きできるとありがたいです。お客様にとってもブランド開発の振り返りになり、言語化することで再確認することができます。
1. 商品の存在意義(Why)
- 商品開発の動機
- なぜこの商品を企画することになったのか?
- 社会的背景、業界の課題、企業としての想い
- 例)地方の伝統菓子を若い世代にも届けたい
- ブランドの使命(Mission)
- ブランドが果たすべき役割
- 消費者や社会にどんな価値を提供するのか
2. 世界観と価値観
- ブランドコンセプト
- 「上質」「可愛らしさ」「エコ」「未来的」などのキーワード
- 例)ティファニー:「気品高くあらねばならない」という創業者の理念に基づき、革新的なデザインとティファニーブルーに象徴される、高品質で洗練されたジュエリーを提供すること。
- ブランドパーソナリティ(人格)
- もしブランドが人なら、どんな人格か?(落ち着いた紳士/自分の描く道をまっすぐに生きる実業家/自由奔放なクリエイターなど)
- ストーリーのトーン
- シックで静かな世界観、ポップで元気な世界観など
3. 顧客との関係性
- ターゲット像(Personas)
- 年齢、性別、職業、趣味、生活スタイルなど
- 購入のきっかけ(自分用かギフト用か)
- 顧客が期待する体験
- 開封時に「信頼感」「安心感」「優越感」など、どんな感情を持って欲しいか
- ブランドの約束(Promise)
- 常に顧客に対して守ると誓うこと(品質保証、持続可能性、誠実な対応など)
4. 歴史・背景
- ブランドの成り立ち
- 創業ストーリーや成長のきっかけ
- 伝統を守ってきたのか、新しい挑戦をしてきたのか
- 象徴的エピソード
- 顧客や業界で話題になった出来事
- 社員や職人の情熱が伝わる話
5. 美意識と感性
- 色彩感覚
- ブランドカラーの由来や意味(例:ティファニーブルーコマドリの卵の色である「ロビンズエッグブルー」に由来しています。ティファニーブルーは、幸福や喜びを象徴する色としても解釈されています。)
- 素材選びの哲学
- エコ素材重視、地域素材活用、高級素材使用など
6. 将来のブランド像
- 中長期のビジョン
- ブランドの5年後・10年後に目指す姿
- 今後の商品展開
- パッケージのシリーズ展開やコレクション化の可能性
- ブランドの成長戦略におけるパッケージの役割
- 例:EC拡大に伴い開封体験を強化 → SNSでの拡散を狙う
※ポイント
弊社がお聞きしたいのは単なるパッケージデザインの方向性ではなく、「そのブランド/商品がどう生まれて、どこへ向かおうとするのか?」という物語の全体像です。
これがある程度わかれば、色・素材・構造を通じて、箱そのものがブランドのストーリーを語る存在になります。
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