パッケージというモノづくりから、価値づくりへ

公開日:2022年11月07日(月)ブランディング

関西在住のパッケージデザイナー集団
PAKECTION!(パケクション)

先週末、パケクション展覧会「I’m Fine展」にいってきました。
今回は、竹尾のカラフルな段ボール「ファインフルート」を使ってデザインされたパッケージ。

画期的な新しい素材をデザインする

ファインフルートは簡単に言うと、波状の断面と三層の色の組み合わせによるカラフルな段ボール(Eフルート)です。
裏表(ライナ)の中芯(フルート)が別色になっているので、切ったときの断面が違う色が出てくるため、一般的な段ボールに比べてカラフルでデザインされた感が素敵です。

これを使ってデザインされたパッケージは、一般的な段ボールのパッケージとはあきらかに差異化されています。何よりも、オシャレ感がすごい。笑 

ただし、一番の問題はコストです。価格的には普通のものより10倍以上?くらいの感覚なので、「パッケージ=コスト重視」という業界の常識からは逸脱しています。

これは考え方というか価値観の問題ですが、ファインフルートでパッケージを作るとすると、今までの「包装資材」という概念を変えないと多分これを採用することはできないと思います。かなり特殊な素材のため、加工自体も難しそうです。

高度な技術の加工には価値がある

今回のパケクションでは、日伸製作所(代表:新谷智亮氏)さんのレーザーカッター加工機の大活躍で、みごとな加工がされていました。これも木型によるトムソン加工に比べると高価ですが、トムソンでは真似のできない見事な仕上がりになっています。

営業の現場レベルで考えると、これだけ高価なパッケージはクライアントにいくら提案しても簡単には採用してもらえません。恐らく材料や加工を考えると、普通のパッケージの10倍〜?とかもっとかもしれません。しかし、大きな可能性を秘めた素材であることも確かです。

ただウチでつくる貼り箱も同じですが、包装資材という「モノ」として考えると高価過ぎます。
クライアントには、包装資材とは別の「価値」として提案しないときっと買ってはもらえません。
そこは、悩ましいところですね。

パッケージの意味。顧客は何に対価を払うのか?

このブログ記事でも書きましたが、「顧客は何に対して対価を払うのか?」です。
包装/梱包資材としては高価ですが、ブランディング・ツール(ブランドへの投資)として考えると納得がいくかもしれません。こんなパッケージなら他社商品/ブランドとは、明らかに差異化できます。
一般的なパッケージとは全く違いますから話題にもなるでしょうし、ブランドの広報としても効果抜群です。このパッケージ欲しさに、商品を購入いただけるかもしれません。

他社と差異化しブランドの大きな特徴となり、お客様にとってすごく印象に残ります。そう考えると、梱包資材というコストではなくなります。
これは投資であり、ブランドの価値を高めて、そしてお客様へ伝えていく。
顧客接点としてのコミュニケーション・ツールとなります。

ブランディングとマーケティング視点
もの(パッケージ)ではなく、顧客に何を売るか

製造業(ものづくり)の考え方を一度リセットして、もの(ハード)ではなく、価値(ソフト)を提案していく必要があります。

デザイナーのみならず製造業も、お客様にとっての「価値」の提供という目に見えないものを売っていかないと厳しい状況です。
それに一石を投じる素材の登場だと、とても感じた展示会でした。

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箱BAR、パッケージデザイナー、三原美奈子

■PAKECTION !(パケクション)
2008年に結成した関西在住のパッケージデザイナー集団。メンバーは、デザイン事務所勤務・フリーランスと様々だが、全員が公益社団法人日本パッケージデザイン協会会員である。パッケージデザインをこよなく愛し、日々その可能性を追求している。

パッケージというモノづくりから、価値づくりへ
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