パッケージは、コストダウンだけでなく大切な顧客接点
公開日:2019年04月25日(木)|ブランディング
役割はモノを「包む」だけではない
顧客接点としてのコミュニケーション・ツール
商品を市場に出すためにはモノである以上、それを包装する化粧箱、パッケージ(紙箱)が必要になります。
パッケージには商品を保護するという基本的な役割がありますが、それだけではありません。
商品の「情報」を伝えることもそうですし、そのブランドの「価値」を伝える。そして、そのブランド価値を「高める」という大きな役割があります。
それは商品力、しいてはブランド力に直結します。結果的に、商品の売上をも左右します。

そうするとパッケージ、紙箱を単にコストと考えていいのでしょうか?
パッケージのコストダウンすることは、決して悪いことではありません。
一つの方法です。
しかしそれだけに捉えられると、目に見えない大きなもんを失うかもしれません。
ブランドとはシャネルやグッチ、アップルやアマゾンといった巨大企業のものだけではありません。中小企業や零細企業でも、独自の技術やその思いから作ったものはブランドとなります。
一般に経営資産は「ヒト、モノ、カネ」といいますが、目に見えない「ブランド力」も大きな経営資産です。
パッケージは、ブランド力と未来への投資
商品を包みそのブランド価値を高める一つが、商品パッケージに他なりません。
とすると、「パッケージはコストダウン」だけを考えるのはある意味とても危険です。
大切なブランド資産の価値を、弱めることにもなりかねません。

商品パッケージは、大事な「経営資産という未来への投資」という考え方もブランドマーケティングの一つです。
その典型的な事例は、米国アップルのiPhoneの箱です。実はあれも貼り箱ですが、年間販売台数2億台と言われる大量生産品のパッケージとしてはアップルすごい投資をしています。
実際の原価はわかりませんが噂では1個数百円とも言われており、もしそうだとするとiPhoneの販売売上も膨大ながら、その商品パッケージに少なくとも数百億円?〜は投資をしているということになります。
日本のメーカーなら、まずあり得ないでしょう。何故なら、「パッケージはコスト」との考え方だからです。しかし、アップルはそうは考えなかった。
商品パッケージに、ブランドとしての「価値」を見出したからです。おかげで顧客がiPhoneを買ったとき、箱から取り出すことを「開封の儀(英語ではUnboxing)」と称してそのときの様子をYouTubeなどにアップした映像が世界で数十万件あるらしいです。
iPhoneの箱は、Appleのブランド・メッセージ
これらをもし広告費に換算したら、膨大な金額になります。
もちろんアップルがそうしてくださいとお願いしたわけでもなく、ファンが勝手に宣伝してくれています。これがごく普通にある紙箱だったら、こんなことは起きなかったでしょう。
iPhoneの箱はまさにブランディングのためのツールであり、パッケージを通してのブランド・メッセージ。
ブランド価値を伝え、顧客接点としてユーザーとコミュニケーションするための投資なのです。
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