プレミアム抹茶パウダーのブランディング・パッケージ
公開日:2025年08月01日(金)

バイオ原料とプロダクトを研究から製品販売まで手掛ける食・ヘルスケア産業に製品提供しているスタートアップ企業様から、ご相談をお受けした「プレミアム抹茶パウダー」のブランディング・パッケージです。
従来、商品パッケージとして簡易的な組み箱(トムソン箱)を使われていました。高額な高級商品ですが、さすがにこれではとのご相談から始まりました。
殆どの会社がそうですが、商品を製造や販売される企業は商品については当然詳しいですが、それを包むパッケージ/化粧箱については素人であり、専門知識はありません。
よくあるのは、取引きがある印刷会社などにお願いして作ってもらうというパターンです。
最近は印刷会社の中にも、デザイナーが在籍していることも珍しくなくなりました。その場合、パッケージのデザインから受ける会社もあります。そしてよくあるのは、パッケージを受注できればデザインは社内だし、パッケージデザインはほぼサービスのケースが少なくありません。
ただし専門知識のスキルがあるデザイナーがいることは稀で、デザイナーというよりオペレーターに近いデザイナーというのもよくあります。
弊社で企画・製造する貼り箱(はりばこ)は、一般的なヴィジュアルを中心としたパッケージデザインではありません。基本的には、箱の形状や構造が元になります。
しかしメインになる要素は、Color(色)」「Material(素材)」「Finish(仕上げ)」を総合的に考えるCMFデザインという概念です。
特に貼り箱は紙を主な材料に使うため、紙(それ以外にも植毛材や生地素材を使うことも)そのものの質感、素材感と色の組み合わせ。最終的には職人、人の「手」によりきめ細かな手仕事によって貼り箱を仕上げます。
これはパッケージの見た目や触り心地、質感を決定づける重要な要素であり、ユーザーへのブランドイメージに大きな影響を与えます。
それを代表である私や現場職人で検討しながら、ブランドイメージやコンセプトに最適なカタチで考え、ご提案をさせていただいています。


今回は、商品が「抹茶」です。
従来使われていたパッケージは、全面が抹茶色でロゴ白抜きというとてもシンプルな組み箱でした。
貼り箱で全面が抹茶の濃いグリーンだと、かなりキツイ印象になります。もちろん、ワンポイントでどこかに使いたいとは考えていました。
形状はブック式、表紙は落ち着いて高級感もある黒ですが、この箱の一番の特徴はミ箱の側面です。
写真をみるとお気づきになると思いますが、「茶葉入り和紙」を貼っています。茶葉の入った和紙を使えないかといろいろ探したのですが、中々見つかりませんでした。そんなとき、友人で美濃和紙のメーカーさんがいたので相談すると「これならあるよ〜!!」と提案してもらった茶葉入り和紙を採用しました。
この茶葉入り和紙、オモテ面は比較的フラットなんですが、写真でもわかりますが、粗めの茶葉を少量入れた和紙裏面を、箱のオモテ側に貼っています。
これにより、より茶葉感が際立ちますね。まさに茶葉を活かしたCMFデザインになっています。
ただし一つだけ問題があって、天然の茶葉を漉き込んでいるため、時間経過とともに茶葉が茶色く変色してきます。欠点といえば欠点ですが、これはまさに、「天然の茶葉」を使っている証拠。もし変色しないなら、それは天然ではなく何か化学処理されたものです。これは、SDGs的にも安心できますね。
そして、内装(ゲス)です。
ある程度のサイズのある塊なら簡単なのですが、こういうスティック上の薄いものは、箱の中で固定させるのがとても難しいです。
いつもお願いしている木型屋さん、業界のベテラン職人ですが、その方に相談して今回のスティックを固定するゲスを考案してもらいました。完璧です。
※木型:トムソン加工(打ち抜き加工)で使用される。厚紙を紙器の形状に打ち抜くための型。ベニヤ板にレーザーで溝を加工し、その溝に沿って曲げたトムソン刃を埋め込んだもの。
こういった外部の協力会社さんも含めて、一つのパッケージ/化粧箱のプロジェクトが成り立っていきます。
CMFデザインを使ったパッケージデザインをはじめ、パッケージを通してブランドイメージを構築する(ブランディング)。そしてこれが、長期目線でみてブランド資産になっていくのです。
そのパッケージ全体のプロデュースをするのが、村上紙器工業所の使命でもあります。
商品パッケージ/貼り箱は、単なる包装資材ではありません。
コストでもなくブランドへの投資と考えていただくと、それは積み重なることで、やがて貴社にとってのブランド資産になるのです。
商品パッケージ/貼り箱について、まずはご相談ください。
どうぞ、よろしくお願い致します。
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