商品開発時のパッケージ企画は、ブランディングにつながる
公開日:2026年01月01日(木)|ブランディング
ブランド体験の入口をつくる、戦略的パッケージ設計の本質
新規商品の開発/企画において、パッケージの開発は最後に回されるケースがとても多いです。
商品の開発/企画が最重要なのはもちろんですが、実はパッケージ/パッケージデザインはそれに匹敵するくらい重要なのですが、実はそれを理解していない人がほとんどです。
ブランディングの観点からすると、最初の顧客接点(タッチポイント/コンタクトポイント)パッケージはとても大切ですが、「なぜパッケージは後回しにしてはいけないのか」をFAQ形式で体系的に整理しました。

パッケージとブランディングに関するFAQ
Q1. なぜ商品開発が終わってから、最後にパッケージを考える会社が多いのですか?
A.
多くの企業では、パッケージを「包材」「コスト」「納品物」として捉えているためです。
その結果、商品仕様・価格・原価がすべて確定した “後工程” として処理されます。
しかしこれは、ブランド設計の視点が欠落している状態です。
本来パッケージは、商品価値を市場に翻訳するための「設計装置」であり、単なる外装ではありません。
Q2. 商品が良ければ、パッケージはそこまで重要ではないのでは?
A.
それは事実ではありません。
ブランドの世界では、「人は中身を体験する前に、外側で価値判断をする」という前提が共有されています。
特に初回購入では、
- 味
- 機能
- 品質
よりも先に、
- 見た目
- 手触り
- 開ける体験
- 佇まい
が評価されます。
つまりパッケージは、商品体験の “入口” であり、第一印象そのものです。
Q3. ブランディングの観点で、パッケージの役割とは何ですか?
A.
一言で言えば、「ブランドの意思を無言で伝える媒体」です。
パッケージは、
- 価格帯
- 品質レベル
- 企業姿勢
- 顧客への敬意
- 世界観
を、言葉を使わずに伝えます。
広告よりも、営業トークよりも、毎回・必ず・顧客の手に触れるのがパッケージです。
Q4. パッケージは「コスト」ではないのですか?
A.
コストとして扱った瞬間に、ブランドは弱くなります。
正確には、
- 既製品パッケージ → コスト
- 戦略的に設計されたパッケージ → 投資
です。
実際ブランド論では、パッケージは「Brand Touchpoint(ブランド接点)」として位置づけられています。
ここに投資しないことは、「顧客との重要な接点を放置する」ことと同義です。
商品と思想を結ぶ、パッケージ企画のタイミングと設計法

Q5. なぜパッケージを後回しにすると、ブランドが育たないのですか?
A.
後回しにすると、次の問題が必ず起こります。
- 商品コンセプトとパッケージが噛み合わない
- 高価格なのに安っぽく見える
- 世界観が曖昧になる
- 顧客の記憶に残らない
- 値引き競争に巻き込まれる
これはすべて、設計思想の不在が原因です。
Q6. パッケージは、売上やROI(投資利益率)に本当に影響しますか?
A.
明確に影響します。
パッケージは以下に直結します。
- 初回購入率
- 再購入率
- 価格許容度
- SNSでの拡散
- クレーム・返品率
ブランド論・行動経済学の両面で、「体験の質が価格耐性を高める」ことは実証されています。
Q7. 高級ブランドが、箱に異常なほどこだわるのはなぜですか?
A.
理由は単純です。
「箱を見ただけで、ブランドが想起される状態」をつくるため
ティファニーのブルーボックス、アップルのパッケージが代表例です。
彼らは箱を、
- 製品の一部
- 記憶装置
- ブランド資産
として扱っています。
Q8. 中小企業やBtoBでも、そこまで考える必要はありますか?
A.
むしろ、中小企業・BtoBこそ重要です。
なぜなら、
- 知名度が低い
- 広告予算が少ない
- 比較検討されやすい
からです。
パッケージは、最も費用対効果の高いブランディング手段の一つです。
Q9. パッケージ開発は、いつから関わるべきですか?
A.
理想は、商品企画と同時です。
最低でも、
- コンセプト設計
- ターゲット設定
- 価格帯設計
の段階で、パッケージの視点を入れるべきです。
そうすることで、商品とブランド体験が一体化します。
Q10. パッケージ開発を軽視すると、最終的に何が起きますか?
A.
はっきり言います。
- 良い商品なのに売れない
- 価格でしか勝負できない
- ブランドが積み上がらない
- 常に新商品を作り続けないといけない
これは、経営の消耗戦です。
パッケージを軽視することは、ブランド資産を積み上げる機会を自ら捨てているということです。
商品企画と同時に考えるべき、『価値翻訳』としてのパッケージ

パッケージは、商品開発の「最後」ではなく、「中核」に置くべき存在です。
それは、見た目の話ではありません。
ブランドの意思・覚悟・思想を、顧客に手渡すための設計行為です。
商品パッケージは、いわば「ブランドの意思」を示す重要なものです。
アップルやティファニーのパッケージは、まさにその典型例だといえます。
商品パッケージは単なる外装ではありません。
それは企業やブランドが「どんな価値を信じ、何を大切にしているのか」という“意思”を、無言で市場に示す装置です。
アップルやティファニーのパッケージは、その思想を最も高い完成度で体現した代表例です。
1. パッケージは「ブランドの思想」を翻訳する媒体
ブランドとは、ロゴやデザインのことではありません。
「この企業は、何を信じているのか」
その一貫した思想の集合体です。
パッケージは、その思想を
- 形
- 重さ
- 触感
- 開け方
- 余白
といった非言語情報に翻訳し、顧客の身体感覚に直接届けます。
言い換えると、パッケージはブランドの意思を “体験” として渡す最後の設計工程です。

2. アップルのパッケージが示す「思想」
Appleのパッケージは、常に製品より先に「これは考え抜かれたものだ」というメッセージを伝えます。
- 無駄な情報を排した構成
- 開封時のスピードと抵抗感の設計
- 製品を “見せる” 順番の厳密な制御
これらはすべて、テクノロジーを、人にとって直感的な存在にするというAppleの思想の延長線上にあります。
つまりAppleにとって箱は、製品説明書ではなく、思想の導入部なのです。
3. ティファニーのパッケージが示す「覚悟」
ティファニーのブルーボックスは、中身を見なくても価値が伝わります。
- 色そのものがブランド資産
- 箱を持つ行為自体が「体験」
- 開封前から感情が動く設計
これは、「私たちは、この色とこの箱に、永続的な価値を賭ける」という企業の覚悟の表明です。
ティファニーは、「箱をコストではなく、記憶装置として扱っている」代表的なブランドです。
4. 共通点は「パッケージを最後に考えていない」こと
AppleもTiffanyも、共通している点があります。
それは、パッケージを “商品完成後の付属物” として扱っていないという点です。
- 商品企画
- ブランド思想
- 顧客体験
これらと同時並行で設計されているからこそ、パッケージが「語る」のです。
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