パッケージデザインにおける理想と現実のギャップ

公開日:2021年06月09日(水)デザイン

加工できない図面が年々増えている

その部品加工の現場に異変が生じている。日本企業の「図面品質の劣化」が著しいのだ。「加工できない図面が年々増えている。『どうやって造るの? あなたが造ってみせてよ』と何度言いたくなったことか。
日経クロステック記事より

現実を理解した上でのパッケージデザイン
実際にはそれが一番の近道になる

パッケージデザイン(特に貼り箱)でも、同じようなことがよくあります。
デザイナーから「このデザインで貼り箱をつくりたいんです」と依頼がきますが、まさに「これ、どうやって作るんですか?」「このデザインだと、ご予算の10倍くらいはかかりますがいいんですか?」みたいな案件がときどきあります。
そして説明しても、その「意味」を理解出来ない様子。

パッケージデザインにおける理想と現実のギャップ、貼り箱、化粧箱

理想と現実のギャップ。
いつの時代も難しい問題ですが、もう少し現場に相談してからデザインするのも一つの方法だと思います。

貼り箱は、同じ紙箱でもトムソン箱(組み箱)と違って、使う素材・構造・製造工程が全く異なります。トムソン箱は六角形など変形のものでも、木型が作ることができれば製作は難しいものではありません。

しかし貼り箱の場合、ベースになるボール紙(板紙)がトムソン箱の約「0.3〜0.5mm」に対して、1〜2mm程度あります。それだけで、箱としての構造設計が全く変わってきます。

そして、ベースの板紙の上に紙などを「貼る」という重要な製造工程があります。
角部分の処理方法や接着剤(ニカワ)を使うことでの紙の伸縮など、とても複雑な処理が必要です。

絵に描いたものが、すぐカタチに出来るという訳にはいきません。
たとえ出来たとしても、それを実現するためにとんでもない手間と時間、そして費用が必要になったりします。

最初に話したように、物理的に貼り箱には出来ない。もしくは、カタチには出来るけど、ものすごく費用がかかるという現実があります。

貼り箱は、完全な立体物として仕上げていくので(トムソン箱は、平面でつくったものを立体物に組み立てる)、物理的な制約がかなり大きいです。

こういった構造上の制約が大きいため、デザイナーの方には「まずはご相談いただきたい」のです。
ラフスケッチんでいいので、「こんなデザインにしたいんです」とご相談いただければ「出来ることと出来ないこと」「作れるけど、どのくらいのご予算感なのか」などをお話できます。

そこから改めて、パッケージデザインをしていただきたいです。
いきなり「このデザインで〜」とお話いただいて、そこから現実性を見極めて再度デザインをし直すとなると時間も手間もかかります。そんな場合、根本的にパッケージデザインを見直さないといけないケースがほとんどです。

上記自動車業界の「図面品質の劣化が著しい」との指摘がありましたが、現場を知らずに設計やデザインをするケースが増えています。
設計者やデザイナーは、もっと現場に興味を持っていただければ、より素晴らしいモノができると信じています。

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