パッケージは長期目線のブランド資産
公開日:2025年07月26日(土)|ブランディング

決算書に載らない=見えない資産
長期目線で経営戦略を考える場合、ブランド資産はとても重要です。競合との差別化を図る上で、パッケージ/パッケージデザインは大切な役割を果たします。
しかし、ブランド資産は決算書には載りません。これは「ブランド=企業」にとって、絶対に必要なものです。しかし、この意味を理解してもらうのは簡単ではないのです。
ブランド資産は重要なのに、「決算書に載らない=見えない資産」であるがゆえに、中小企業の経営者にとって “腹落ちしにくい” 概念になりがちです。
そこで理屈ではなく、“経営者の心に届く” 説明の仕方を提案します。キーワードは「体験・実感・比較」。つまり、自分ごとにしてもらうことです。
経営者の心を動かす「ブランド資産」の伝え方 6つの切り口
(1)ブランドは見えないけれど “売上を連れてくる資産”
決算書には載らない無形資産(ブランドエクイティ)、ブランドは “何も言わなくても売れる仕組み” をつくります。
営業しなくても “〇〇さんの商品ください” と言われたら、それがブランド資産の力です。
→ 「営業しなくても売れる仕組み」= 労働コスト削減、LTV向上 → 経営者視点で納得しやすい
(2)ブランドがある会社とない会社、会社を売るとしたらどちらが高く売れますか?
同じくらいの売上・利益でも、“名前を聞いたことある会社”と “無名の会社” なら、どちらに価値を感じますか?
それが決算書に載らないけど、“確実に存在しているブランド資産” です。
→ 「企業価値」「会社の将来性」という視点は、出口戦略や承継を意識する経営者に響きます。
(3)“名前で売れている会社” は広告にお金を使ってないように見える
「ブランド資産」の考え方は長期目線
例えば “◯◯製菓のバターサンド” は、広告なんて打たなくてもみんな買いますよね。
それは “ブランド” という「資産」が、広告の役割を肩代わりしてくれているんです。
→ 「広告費ゼロで売れる状態」を例に出すと、「ブランド=営業費用・削減ツール」として理解されやすい
(4)ブランドは “積み重なる” 信用口座
日々発信するデザイン、対応、品質が “信頼の預金” になっていく。
それが積み重なることで、価格が高くても買ってもらえるしクレームも減ります。それが “見えない資産” として、企業を支えます。
→ 「信頼」という言葉は、特に地方・伝統・老舗系経営者に強く響きます。
(5)商品は “売るもの”、ブランドは “残るもの”
商品は変わっても、ブランドがあれば次の商品も売れる。
だから、“商品開発” より “ブランド構築” の方が投資効果が大きいのです。
→ 商品は毎回コストですが、ブランドは繰り返し使える「販促の土台=資産」として認識されやすくなります。
(6)ブランドイメージを形成するもの
パッケージデザインは、商品の第一印象を決定づけ、ブランドの個性を表現します。色、形、素材、ロゴなど、パッケージに含まれる要素は消費者の記憶に残り、ブランドイメージを形成します。
→ 特定の色や形を見ただけで、特定のブランドを連想するようになります。
補足:質問で “自分の経験に気づかせる” ことが効果的
- あなたが “あの商品いいよ” と人に紹介するとき、理由は “中身” ですか? “名前”ですか?
- 似たような商品で、無名より“名前を聞いたことある方”を選んでませんか?
- 会社を次の世代に引き継ぐとしたら、“商品だけ” と “ブランドごと” どちらが価値があると思いますか?
→ このような問いで “自分もブランドに左右されている” ことに気づかせると、急に納得感が高まります。
最後に一言でまとめるなら:
ブランドは目に見えないけれど、売上・信頼・時間・利益という形で返ってくる経営資産です。
だから、それを築く商品パッケージ/パッケージデザインもまた “費用” ではなく、“未来への投資” なのです。
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