村上紙器工業所の作品

腕時計

2009年03月16日(月)09:53

小さなバックをイメージさせる貼箱です。

tokei.jpg

あるパッケージ会社からの依頼で作ったものです。
当初、その会社のデザイナーさんがデザインされたのですが、いざ企画が通ると製作してもらえるところを探さなければなりません。
ところがダミーサンプルのような ”工作 ”と違い、量産となるとなるとコストや納期、そして何よりも「本当に作れるのか?」を考えなくてなりません。

実際、この複雑な形状で4,000個を作らなくてはなりませんでした。
最初いただいたダミーサンプルは、正に”張りぼて”の状態で、とても量産出来るものではありませんでした。
それを「製品」にするために、微妙な調整を含め数回の渡るサンプル製作を行い、やっと量産可能な構造にしていきました。

箱が斜めに閉じていく形状(いわいる「角錐」)は、貼箱としては最も難しい形状です。
簡単には寸法を出すことが出来ません。

最初は理論値で計算するのですが、通常の貼箱なら足し算、引き算で計算できますが、この角錐になると ”sign、cosine、tangent ”の三角関数が必要になります。

つまり貼箱の場合、算数ではなく、数学を要求される訳です。

「作り手のこだわり!!」

また貼箱は、ボール紙をトムソン抜き(打ち抜き加工)する場合も、こだわりがあります。
上の写真は、変形の箱をボール紙で作る場合です。
ボール紙をトムソン抜きすると「返り」が出ます。(木型の刃で圧力をかけて抜くため、その反対面には刃で押された分、わずかにボール紙が押し出されます。目にはほとんど見えず、指で触るとわずかにわかる程度です。)

貼箱貼箱

それがあると、ボール紙とボール紙を組み合わせた時、わずかなひっかかりになったり、紙を貼った時に境界線が目立ったりします。

それを解消するために、木型を作る時に片方を0.15mm程控えてやります。
末端のお客さんには、気付かれないかも知れませんが、少しでも製品の仕上がりをきれいにしようとする我々作り手のこだわりです。

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