コミュニケーションって、こういうこと

コミュニケーションって、なんでしょう。ブランディングやコンセプトなどと同じで、わかっているようでも意外とわかっていない(説明しにくい)言葉のひとつかもしれませんね。このシリーズではコミュニケーションについて、コピーライターの経験と視点からわかりやすく解説します。

広告とはコミュニケーションそのものである

 まず、お願いです。
 読みはじめる前に、前回(シリーズ1)をおさらいのために、再読してください。

広告に学ぼう。

 広告はなんのためにやっていると思いますか。ちょっと考えてみましょう。広告の目的は大きく二つに分けることができます(もちろん、以下の二つ以外の目的もあります)。

 一つ目は「Buy me(わたしを買って)」。これは分かりやすいですね。世の中の多くの広告は商品やサービスを販売する目的で発信されています。「商品広告」と言われる分野です。

では、二つ目は?それは、「Love me(わたしを愛して)」という目的です。これも分かりますいですよね。企業やブランドを好きになってよねという広告です。こちらは、「企業広告」「ブランド広告」などと呼ばれます。

 日ごろよく目にしている広告の大半は、この二つの目的で括ることができるでしょう。「買う」は消費という行動を起こさせることが目的です。「愛して」は好感という意識をこちら(送り手)に向けさせることが目的です。

 このように広告には必ず目的があります。無目的の広告なんてありえません。目的は意思と言い換えても良いかもしれませんね。その目的が届くためにはコミュニケーションできていないといけません。「買ってよ」に対して「良いねえ」「気になるねえ」「欲しい!」というようにこころに響かないと目的は達成できません。お知らせだけではこころに響きません。

 コミュニケーションできていないと「買う」気になってもらえないし、「好き」という気になってもらえません。つまり、そこには気持ちのやりとりが発生しています。送り手が目的に応じたメッセージを発信し、受け手がこころの響きという反応を返すことで目的に前進しています。そこにはコミュニケーション(買ってよ⇄いいね!覚えておくよ!という、双方向のこころのやりとり)が成り立っていないといけません。

双方向のこころのやりとり

 広告とはこのように、「コミュニケーションそのもの」なのです。

広告できていますか?

 「コミニュケーションできているか」どうかの判断の指標のひとつとして、「広告できているかどうか」というフィルターで、発信した情報を冷静に見てみることを勧めます。

 「広告できているかどうか」を判断するためには、発信した情報をロジカルに評価し判断をくだしていく必要があります。

1:あなたのアタマのなかで考えたことを言えているか(つまり、言いたいことがちゃんと言葉になっているか)をまず、最初にチェックしましょう。

2:ちゃんと言えているなら、伝わっているか(つまり、言葉にしたことが相手に理解できるか)を次にチェックします。

3:最後に相手に届くかどうか(言葉が相手のこころに響くか)を客観的に判断しましょう。(このコツは前回提書きましたね)

1と2はコミュニケーション以前の問題です。何かを発信しようとしたとき、1と2がちゃんとできていないと、いくら言葉化しても無意味ということです。

3までできてはじめて、コミュニケーションできているってこと。広告コピーライターはかならず、この1、2、3のプロセスを踏んでコピーを書き、世の中に発信しています。

 だって、お得意さまの言いたいことを言葉にできていなかったら、お買い上げしていただけませんもの(笑)。それは、プロのコピーライターとしては恥ずかしい状態です。でも、コピーライターでなくても、論文、ブログ、SNSなどにもコミュニケーションできるかどうかということは共通の予見です。与えられたテーマと違う答え(内容のこと)を書いても評価の対象にすらなりませんよね。

 2と3はある意味経験で上達します。意識して続けていれば、SNSで「いいね!」が増加することや、noteやブログでフォロアーが増えることで実感できるでしょう。

コミュニケーションの効用。

 シリーズ1でインフォメーションとコミュニケーションの違いを「一方通行(ワンウェイ)」と「双方向(ツーウェイ)」という言葉で表現しましたね。「双方向(ツーウェイ)」の発信をする効用として、こころの響き合いによって相互理解が進みファン化を促進すること、顧客化(潜在顧客、新規顧客の両方を含む)の範囲を拡大することなどもあげることができるでしょう。

広告とはコミュニケーションそのものである
広告とはコミュニケーションそのものである

 ほかにも、コミュニケーションできることで、あなたの発信への信頼度や共感度が格段に上がっていきます。コミュニケーションし続けることで、あなた(御社)のイメージもできていきます。また、リピートしてくれる確率も上がりますから、あなたの発信とわかればそれだけで見てくれるファンも増えていくでしょう。情報発信によるブランディングを考えているのなら、コミュニケーションできるライティング技術を向上させましょう。

 「広告に学ぼう」と、冒頭で述べましたが日ごろから広告の文章を注意して眺めてみるのは良いことです。たとえば、キャッチフレーズだけでなくボディコピー(本文)もちゃんと読んでください。そこにはやはりプロの技術が凝縮されています。好きな文体だと思ったら写経のようにうつしてみるもの文章上達法の一つです。じつは、プロのコピーライターも駆け出しこのころに「写経」をやった経験を持つひとは多いものです。

 いかがでしたか。シリーズ2では「広告とはコミュニケーションそのものである」というテーマでコミュニケーションを語ってみました。次回は「ミュニケーションを改善すれば解決する課題は多い。」というテーマからコミュニケーションを語ってみたいと思います。最終回です。お楽しみに!

素敵な商品を前に、パッケージに悩んでいらしゃるお客様へ

同じ思いで、ご相談いただいた事例がここにたくさんあります。<作品ギャラリー>もご覧になってください。化粧箱は売上にとって大切な存在なのです。

06-6653-1225

<パッケージはブランドの世界観をつくる>
貼り箱、化粧箱、ギフトボックスについて、企画、製作、提案のご相談からちょっと電話で話を聞いてみたいという方はお気軽にご連絡ください。

担当:村上 誠
営業日:月〜金曜日(休日:土日祝日)
営業時間:9:00〜17:30(昼休みは除く)