貼り箱製作工程
インロー式貼り箱
ここでは、一例として右の写真にある「インロー式貼り箱」の製作工程を、簡単に説明させていただきます。もっと複雑な貼箱の場合は、これらの基本的な製作工程の他に表紙やゲス(中仕切り)など部分ごとに製作し、最終的にそれらを組み合わせることで、一つの「貼り箱」が出来上がります。
下にある製作工程は、弊社の「貼り箱」では比較的“シンプルな作業工程”で、高度なものになると、十数点〜二十点以上の部品を組み合わせた「貼り箱」を製作する場合があります。これら様々な工程で“人の手”が加えられ、「貼り箱」は作られていきます。
「インロー式貼り箱」とは?
ミ(下箱)とフタ(上箱)を同じ寸法で作り、それらを繋ぐ「インロー(ヤローという場合もあります)」と呼ばれる箱をミと合体させることで、「三位一体」形式の貼箱となります。
この貼り箱は、ミ(下箱)とフタ(上箱)の間に隙間を空け、「インロー(色のついた部分)」が少し見えるデザインにしたものです。
※製作工程では、わかりやすくするために、一部この貼り箱とは違うものを写しています。ご了承ください。
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ボール紙の断裁
貼箱の中芯になるボール紙を、断裁機で指定の寸法に断裁します。
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罫線(けいせん)入れ
ボール紙が折り曲がるラインに、罫線(ハーフカット)を入れます。
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隅切り
「井の字」に、罫線を入れた隅をカットします。
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中芯(ボール生地)
罫線が入り、四隅をカットされた状態。(大量ロットまたは変形箱の場合は、木型を作り、トムソン抜きをします)
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隅止め
ボール生地を、紙テープで止めていきます。(他に、ワーヤー止めもあります)
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巻きをかける
インロー部分に、紙を巻きます。(箱全体を包むのではなく、側面に紙を巻いている状態)
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四隅カット
隅をキレイに仕上げるため、内側に折り込む四隅に、カッターナイフで切れ目を入れます。
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折り込み
切れ目を入れた場合、「長い辺」を先に折り込み、あとから「短い辺」を折り込むことで、四隅をキレイに仕上げます。(仕様により、逆に折り込み場合もあります)
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生地を包む
ミ・フタを貼紙で包みます。(写真上は、糊が塗布された紙に、ボール生地を位置決めしているところ)
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四隅カット
工程(7)と同じく、四隅に、カッターナイフで切れ目を入れます。
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折り込み
折り込み後、内側の仕上がりをキレイにするために、金属のヘラで、折り込みの際をこすっていきます。
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仕上げ
インロー箱とミを接着材で、固定します。(ミ部分の完成)これにフタをして完成。インロー式貼箱の出来上がりです。