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ブランディングで脱下請け(日刊紙業新聞2017.7.27付掲載))

2017年08月16日(水)|新聞・雑誌

<ブランディングで脱下請け>

(大阪通信)村上紙器工業所(大阪市西成区天神ノ森)は昭和二十七年創業の貼箱専門会社。
平成十七年三代目社長に就任した村上誠氏が就任した。目指したのは脱下請けだった。

「当社は製造会社とデザイン会社が一体になったような会社で、ブライダル用途などの要求レベルの高い顧客が多いこともあり、ハードに関しては高い志向性と技術力を持っている。ハードとソフトをどうやって融合させるか、その切り口がブランディングだった」
「依頼主から注文を受けた場合、貼箱が必要とされるまでのプロセスを大事にしている。貼箱に入る商品や企業のコンセプト、さらに販路も聞く。ネット通販、店頭、訪問販売など販路によって見せ方が変わる。最適な貼箱へと具現化するのが仕事。要はソフトの部分。貼箱というハードに対して対価を支払ってもらうが、『この箱を通して、商品・ブランド価値を作っていく』というクリエイティブなスタンスでやっている。同業他社と差別化ではなく、独自化を考えている。」
「日本の製造業は技術力が高いがゆえにスペックに依存しがち。コストパフォーマンスや性能では世界一だろう。だが同程度の性能でありながら高額な外国商品が売れている。理由はその商品のブランド力だ。日本のメーカーはブランディングにかかった金をコストとみてそこに価値を見いださない。機能的価値には力を注ぐが、感情的価値にはお金をかけるという概念がない。だが消費者はそこに魅力を感じて購入している。
この敏感な消費者の消費行動を後押しする手段が当社では貼箱。依頼主の思いにどうやって寄り添えるかということを考えている。『売れるかもしれない』というところまでブランディングしなければならない。これはコストではなく投資だと思って欲しいと言っている。共感してもらえたら『ブランディングのため』で対価が頂ける。下請けにはイニシアティブがないが、提案したソフトには対価がもらえる。下請けでは難しい『感謝』ももらえる。スタッフのモチベーションも上がる。
「同じ商品でも見せ方を変えると価値が変わる。そこを訴求した貼箱を作っている。箱を変えると売上が変わる。」
 代表就任から10年。事業方針の転換は功を奏し、受注件数は増加傾向だ。村上社長は苦労の連続だと言うが、明るく前向きに貼箱に取り組んでいる。

日刊紙業新聞(平成29年7月27日(木)第17938号より)
株式会社日刊紙業通信社 大阪支社 大山敬三

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